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NEVER CHANGE

あれから10年。



杏林大学病院から「もうすぐ産まれますよ」と職場に連絡があり、早退して病院へと急ぐ。


出勤前に今日はなさそうと言っていた妻は、突然の陣痛で駅前のタクシー乗り場へ行き、自力で病院へ向かったらしい。女はつよし。


分娩室に入り横になっている妻の手を握る。

強い力で握り返されるたびに、彼女が今耐えているであろう産みの苦しみと言うものを実感する。


新しい生命が誕生するというのに男にできる事が、手を握って声を掛けるぐらいしか無いというのが切ない。


到着して30分ほどで無事に出産し、初めての我が子を腕に抱くが、小さすぎてどう対応していいのかわからず困惑してしまった。



妻と娘の着替えを取りに家に帰り、誕生日ケーキを購入して三鷹駅から大学病院行きのバスに乗る。

(誕生日は生まれたその日のみで、翌年からは誕生記念日という持論の為)


自分に子供ができたら聴きたいと思っていた曲をイヤホンで聴きながら生まれたばかりの娘と妻のことを思う。



NEVER CHANGE [昭和]

長渕剛


そして素っ裸の両足は 大きく開かれ
 しぼり出されるようにけたたましくおびえていた
 お前は俺の呼吸に すべてをあずけた
 しゃくり上げる痛み 吐き出す時がここにあった

 Never Change 今 子供が生まれた
 Never Change 俺にも家族ができた
 Never Change 娘をこの手で抱いた
 Never Change 横たわる妻がいる

 ふるえる瞳で 俺はお前の手を握り
 この世で最大の口づけした.......Never Change

 深夜4時 東京の街 俺は本気で泣いた
 消し忘れたワイパーもなぜかそのままでいい
 片手でハンドルつかみ 片手でボリュームしぼりながら
 優しさってやつを 俺は初めて考えた

 Never Change ただ続くだけでいい
 Never Change 今まで生きてきた人生
 Never Change 血はめぐりめぐって
 Never Change それは変わることなく

 アクセルゆるめ 最後のカーブを曲がり
 俺はいつものように朝を待った.......Never Change



突然、涙が溢れ出してきて、堪えようとするが止まらない。


平日の昼間にサングラスをかけた大男が、泣きながら大学病院前で降りて行く。

幸せの絶頂にありながら、どう見ても悲しい出来事があった人にしか見えなかったに違いない。


10年前にそんな様な光景を目撃したという方がいましたら、それは僕です。

(翌日も病院へ向かうバスで聴いてみたが涙は出なかった)




大きな病気や怪我もなく、やさしい女の子へと成長したムスメ。

いつか訪れるであろう旅立ちのその日まで、変わらずに見守りつづけてあげたいと思う。

本当におめでとう、10歳。



そしてこの日、妻は母となった。

本当にありがとう、10年。











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